「インスタに投稿しているけどフォロワーが増えない」「インスタの広告効果が感じられない」といった悩みは、SNSマーケティングを行う事業者につきものです。実は、インスタで新規顧客獲得や顧客維持を効果的に行なうには、「アルゴリズム」を理解してアカウントを運営することが近道となります。
今回の記事では、Metaが公開している情報をもとに、最新のアルゴリズムについてわかりやすく解説します。また、フォロワーの増加やリーチ拡大を叶えるインスタアカウント運用のコツも紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
インスタのアルゴリズムとは?
インスタのアルゴリズムとは、表示するコンテンツの順番や「おすすめ」コンテンツを決める規則のことです。ユーザーの興味関心や行動履歴をもとに表示される投稿の優先順位をつけ、ユーザーごとにパーソナライズして表示するようにコントロールしています。そのアルゴリズムを理解してコンテンツを発信することが、フォロワーの増加や商品・ブランドの認知拡大に有効となります。
インスタのアルゴリズムはインスタ独自のものであって、FacebookやYouTubeなどの他のSNSのアルゴリズムとは異なります。また、インスタのアルゴリズムは1つだけではなくさまざまなアルゴリズムや分類システム、プロセスを採用しているという特徴があります。
インスタのアルゴリズムで重要な「シグナル」
インスタのアルゴリズムでは、「シグナル」と呼ばれる下記のような指標をもとに、ユーザーごとに興味を持ちそうな投稿を予測して表示順位を決定しています。
- アカウントのフォロワー数
- いいねの数
- インスタ上のユーザーの行動
- 投稿内容
- 投稿者の情報
- ユーザーの好み
- ホーム率(フィードのインプレッション数をフォロワー数で割ったもの)
他にも、投稿がシェアされたタイミングや、使用デバイスはスマホかパソコンか、動画にいいねをする頻度などもシグナルに該当し、その種類は数千個に及びます。
インスタのアルゴリズムはこれらのシグナルをもとに投稿や投稿者をランク付けしますが、フィード投稿やストーリーズなど投稿方法によって重要視されるシグナルが異なっています。そして、こうしたシグナルや予測は、随時追加や削除といった更新が行なわれています。
インスタのアルゴリズムは投稿方法によって異なる
インスタアプリのフィード投稿やストーリーズ、リール、発見タブといった各パートそれぞれのアルゴリズムを理解し、戦略的に投稿することが大切です。それでは各パートごとのアルゴリズムの特徴を解説していきましょう。
フィードのアルゴリズム
フィードの表示順を決めるアルゴリズムでは、ユーザーの「いいね!」やシェアといったアクティビティ、投稿の人気度(「いいね!」をした人数や、どれだけ早くコメント等が実行されたか)が重視されています。
興味・関心の予測に影響を与えるユーザーのアクション
- 投稿を数秒見る
- コメントする
- 「いいね!」する
- シェアする
- 投稿者のプロフィール写真を開く
フィードの表示順位を上げる方法
- アカウントをフォローしてもらう
- 投稿から短時間で、多くのユーザーに「いいね!」やコメント、シェアしてもらう
- 表示させたいユーザーがインスタを開いている時間に投稿する
- 表示させたいユーザーに近いユーザーと頻繁にやり取りする
フィードはインスタのアプリを開いた時のホーム画面になっているので、ユーザーは友人や家族、気になるもの・ことの最新情報を求めています。そのため、インスタを開くとユーザーがフォローしているアカウントがシェアした最近の投稿とともに、そのユーザーが「興味を持ちそうなアカウント」のコンテンツもバランスよく混ぜて表示されるようになっています。また、写真をよく見るユーザーには写真が多く表示されるなど、投稿内容のフォーマットも考慮されます。
ストーリーズのアルゴリズム
インスタのストーリーズでは、ストーリーズを閲覧したり、「いいね!」をしたり、投稿者とDMでのやり取りが発生する可能性の高い順にランク付けするようにアルゴリズムが設定されています。フォロー中の人がシェアしたストーリーズと広告のみが表示されますが、ランク付けに広告は含まれません。
アカウントとの関係性や、興味・関心の予測に影響を与えるユーザーのアクション
- ストーリーズをタップして閲覧する
- 次のストーリーズに進む
- フォロー中のアカウントのストーリーズの閲覧頻度
- 「いいね!」する
- DMを送信する
- シェアする
ストーリーズの表示順位を上げる方法
- アカウントをフォローしてもらう
- アンケートや質問BOXなどのスタンプ機能を使う
- 「いいね!」やDMを送信する
ストーリーズのアルゴリズムは、過去に視聴したストーリーズの履歴や「いいね!」、DMのやり取り情報を使用して、アカウント同士の関係の近さを判断しています。そしてユーザーが興味を持っているアカウントだと示すには、アンケートや質問BOXなどのスタンプ機能を活用してユーザーのアクションを促すことが効果的です。また、自分からフォロワーのアカウントに「いいね!」をしたり、DMを送ったりするのも良いでしょう。
発見タブのアルゴリズム
発見タブは、ユーザーが新しいことを見つけやすくするための機能です。過去のアクティビティから、まだフォローしていないアカウントの投稿を中心に、興味を持ってもらえそうな写真や動画を集めて表示させるアルゴリズムとなっています。発見タブでは、通常の投稿だけではなくリールやIGTVの動画も対象となります。
興味・関心の予測に影響を与えるユーザーのアクション
- 「いいね!」する
- コメントする
- 保存する
- シェアする
発見タブの表示順位を上げる方法
- 投稿から短時間で、多くのユーザーに「いいね!」やコメント、シェアしてもらう
- 表示させたいユーザーがインスタを開いている時間に投稿する
- 表示させたいユーザーに近いユーザーと頻繁にやり取りする
- フォロワーではないユーザーとのやり取りを増やす
発見タブのアルゴリズムは、ユーザーに興味を持ってもらえそうな投稿を優先して表示するという点では、フィードやストーリーズとほぼ同じと言えます。ただしランク付けに使用するシグナルのうち、投稿への「いいね!」やコメント、シェア、保存数とこれらのアクションの早さの重要度がフィードやストーリーズに比べて高いという特徴があります。発見タブはまだフォローされていないユーザーへリーチできることから、自身のアカウントの認知度アップやインスタのフォロワーを増やす方法としても最適なので、「いいね!」やコメント、保存数増加を目指すだけではなく、時間を工夫するなどして、これらのアクションの早さを意識した投稿をおすすめします。
リールのアルゴリズム
リールのアルゴリズムも、ユーザーが新しいものを発見しやすくすることを目的に設計されています。発見タブと同様、リールで見ることのできる投稿のほとんどはフォローをしていないアカウントのものですが、ランク付けには「ユーザーが楽しいと思うものかどうか」を重視したアルゴリズムを使用しています。
興味・関心の予測に影響を与えるユーザーのアクション
- リール動画を再シェアする
- 最後まで見る
- 「いいね!」する
- 音源ページに移動する
- 保存する
- コメントする
- 動画を最後まで見る
リールの表示順位を上げる方法
- 「いいね!」や再シェア、コメントしてもらう
- 最後までリール動画を見てもらえるよう工夫する
- BGMを使う
このほか、特定の動画について利用者が楽しいと思ったか、見る価値があったかを尋ねるアンケートが行なわれる場合もあります。なお、解像度の低い動画や透かし入り動画、ミュートになっている動画、枠線を含む動画、文字がメインの動画、政治的な問題を中心に扱っている動画、すでに投稿済みの動画などは、露出を抑えられる場合があるので注意が必要です。
表示順位が下げられるコンテンツ
インスタのフィードとストーリーズ
インスタには、フィードとストーリーズで表示順位が下げられるコンテンツがあります。Metaはコミュニティガイドラインに違反する投稿を削除しています。それに伴い、違反する可能性が高いと予測される投稿のうち、まだ違反であることが確認されていない投稿に関して、フィードとストーリーズでの表示順位を下げる措置を講じています。具体的には以下のようなコンテンツが該当します。
- ヘイトスピーチ
- いじめや嫌がらせ
- 成人のヌードと性的行為
- 暴力と扇動
- 規制対象製品の売買または取引
発見タブ、リール、検索、フィードの「おすすめの投稿」「おすすめのアカウント」
発見タブやリール、検索、フィードの「おすすめの投稿」や「おすすめのアカウント」には、コミュニティガイドライン以外にもルールが設けられています。これは、おすすめに関するガイドラインと呼ばれます。投稿自体は問題ありませんが、以下のようなガイドラインに触れるコンテンツやアカウントはおすすめしない決まりがあります。
おすすめに表示されないコンテンツ
- 安全なコミュニティの育成を阻害するコンテンツ:自傷行為や自殺、暴力描写、性的に露骨な表現や内容、タバコや成人向け商品・サービス、医薬品など特定の規制対象商品の使用を奨励するなど
- 医療または金融に関する不適切または質の低いコンテンツ:美容整形の奨励や描写、健康関連の主張に基づいて商品・サービスを販売しようとする、誤解を招く可能性や虚偽のあるビジネスモデルを宣伝するなど
- 多くのユーザーが嫌いと答えたコンテンツ:クリックベイトやエンゲージメントベイトを含むコンテンツやコンテストや景品を宣伝する
- 質の低い投稿に関するコンテンツ:他ソースからの転載が多くオリジナリティがない、著者など必要な情報が含まれていないニュースコンテンツなど
- 虚偽のコンテンツまたは誤解を招くコンテンツ:虚偽と判定された首長や偽造文書の使用を奨励するなど
おすすめに表示されないアカウント
「Instagramのコミュニティガイドラインに最近違反した」、「おすすめしないコンテンツを繰り返しシェアする、または最近シェアした」アカウントは、おすすめに表示されない措置が取られています。このほか主要な国際保険機関によって虚偽であると公表されたワクチンに関する偽情報(英語)を繰り返し投稿したり、「いいね!」購入などフォロワー獲得を目的とした誤解を招く活動に繰り返し関わっていたりすると、おすすめには表示されません。アカウントのすべての投稿が一定期間おすすめの対象外となりますので、インスタの収益化を目指すのであればこれらの行動は行わないようにしましょう。また、おすすめの要件を満たしているかどうかは、アカウントステータスから確認することができます。
インスタのアルゴリズムを活用したアカウント運用のコツ3つ(2024年版)
1. 投稿に一貫性を持たせる
インスタのアルゴリズムでは、アカウントがどのようなジャンルの投稿を行っているのかを分析しています。リーチしたいユーザーのおすすめに表示されるためにも、自分のアカウントの投稿内容には一貫性を持たせ、ひと目で何について投稿しているアカウントなのかがわかるように工夫しましょう。また、インスタ自己紹介にも投稿するジャンルやテーマを明記することがおすすめです。
2. ホーム率を上げる
ホーム率とは、自分のアカウントの投稿がフォロワーのフィードでどれだけ表示されたかを示す数値です。フィード表示率とも呼ばれ、フィードのインプレッション数をフォロワー数で割ることで算出できます。ホーム率の目安は40%~50%程度と言われていますが、発見タブでおすすめをしてもらうためには60%以上を狙うと良いとされています。
ホーム率を上げるには、フォロワーからのアクションが増える工夫が必要です。ホーム率を上げるためにできる対策は以下の通りです。
「いいね!」や保存数、コメント、シェアを増やす
「いいね!」や保存数を増やすためには、ユーザーの「ゆっくり見たい」「あとで役立つかもしれない」「いつでも見返せるようにしたい」という気持ちを引き出す投稿を行いましょう。具体的には、「人気のコスメ〇選」や「おすすめのアプリランキング」など、保存しないと覚えられない情報量を投稿に盛り込みます。また、インスタのキャプションに「あなたはどう思いますか?」「コメント全て返信します」などユーザーが気軽にコメントを残せるような工夫をすると良いでしょう。インスタのハッシュタグに「#体験談募集」や「#おすすめ教えて」を含める方法も効果的です。
ストーリーズに1日1回以上投稿する
ストーリーズは、インスタの中でもフォロワーと素早くやり取りができるので、1日1回以上の投稿がおすすめです。アンケート機能や質問BOX、クイズ機能など、ユーザーのアクションを促す機能がついているので、これらを活用することでシグナルを獲得しやすくなります。
フォロワーにDMを送る
アカウントの認知度を高めたり、フォロー解除を防いだりするためには、フォロワーに積極的にDMを送りましょう。例えばフォローしてもらったタイミングで、フォローへのお礼と簡単な自己紹介などをDMで送ります。付き合いの長いフォロワーの場合は、最近の投稿に関するDMなどもおすすめです。
ハイライトに情報をまとめる
アカウントの滞在時間もシグナルの一つとなります。より長くアカウントに滞在してもらうためには、ハイライトでアカウントについての情報やおすすめ情報などをまとめておくことが効果的です。ユーザーの興味を惹くハイライトの投稿は、再びアカウントを訪問してもらうことにもつながります。ハイライトで情報をまとめる際に気を付けたいことは以下の3つです。
- 一番左には一番見て欲しい情報のハイライトを置く
- ハイライトを増やしすぎない
- フォロワーが得する情報を載せる
3. コミュニティガイドラインとおすすめに関するガイドラインを遵守する
コミュニティガイドラインとおすすめに関するガイドラインを遵守しなければ、インスタで表示される優先順位は下がってしまいます。これらのガイドラインを守って投稿をしないと、当該投稿だけではなく、アカウント全体の投稿にも影響が及びます。
また、「いいね!」やリーチ数が急に減ったと感じた場合には、一度アカウントステータスを確認することをおすすめします。万が一コミュニティガイドラインに反した投稿であると判断された場合には、「削除済みコンテンツ」や「おすすめできないもの」、「利用できない機能」で確認することができます。ガイドラインに反していないのに反していると判断された場合には、再審査のリクエストも可能です。
まとめ
古いアルゴリズムに沿って運用を続けてしまうと、思うように「いいね!」を集められなかったり、売上アップにつながらなかったりといった影響が考えられます。インスタで稼ぐことを目標にしているアントレプレナーや、インスタで副業を行っている人、インスタの収益化を目指す人は、常に新しいインスタのアルゴリズムをしっかりと理解し、対策を講じることが大切です。インスタに詳しくないという人は、初心者向けのインスタの投稿方法から保存・削除の仕方までの記事に最新の投稿方法や手順を解説していますので、ぜひ参考にしてください。
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インスタのアルゴリズムに関してよくある質問
インスタのハッシュタグはアルゴリズムに影響する?
インスタのハッシュタグはアルゴリズムに影響しません。ハッシュタグの内容や利用するハッシュタグの数はアルゴリズムと関係がなく、ハッシュタグは閲覧者がキーワードによって検索しやすくするために利用されます。
インスタで毎日投稿するとアルゴリズムに影響する?
インスタで毎日投稿することは、表示順位をアップさせるのに有効です。フォロー中のアカウントがシェアした最近の投稿や、直近の数週間で他のユーザーが投稿者にアクションを実行した回数などが、多くのアルゴリズムで評価基準に含まれているためです。
しかし、投稿頻度を気にするあまり投稿の質が下がるとユーザーが煩雑さを感じたりフォローを解除する可能性があります。コンテンツのクオリティを保てない場合は無理に投稿頻度を上げず、2~3日に1回程度の更新頻度を意識すると良いでしょう。
インスタの公式マークはアルゴリズムに影響する?
インスタの公式マーク(認証バッジ)はアルゴリズムに影響しません。しかし、公式マークのあるアカウントはユーザーからの信頼が得やすいという特徴があります。信頼性や権威性が高まることにより、フォロワー数の増加や投稿へのリアクション数が増加し、結果的に検索上位に表示されやすくなるといった影響はあります。
文:Masumi Murakami